ふるさと納税の寄付金拡充を目指し、全国の自治体がさまざまな工夫をしている。
山梨県小菅村が道の駅に設置した「ふるさと納税用の自動販売機」が興味深い。免許証から名前と住所を読み取って寄付をすると、返礼品に引き換えができるレシートが発行されるという。多摩川の源流部に位置する自然豊かな村で、川魚やキノコ、コンニャクなどが名産品。昨年4月時点の人口は715人、小中学校が1校ずつと、本紙地域より状況は厳しい。
戦国時代の武将、明智光秀ゆかりの京都府福知山市は、6月2日の本能寺の変に合わせて、「謀反のお知らせハガキ」と福知山城ペア招待券のペアチケットのセットを返礼品に加えた。大河ドラマ『麒麟がくる』による観光集客に期待があったものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた自治体の一つだが、ユニークな発想に力強さを感じる。
ふるさと納税に限らず、全国の地域活性化の取り組みを見るたびに、どの自治体にも地元を愛する人がまちを活性化しようと情熱を持っていると感じる。少子高齢化が進んで地域の存続に不安を残す。これからも知恵を絞らなければならない。
(R)