東日本大震災から10年が経つものの、まちを飲み込む津波の映像を見たときの衝撃はいまだ記憶に新しい。南海トラフ地震の危険性がある本紙地域では、地震や津波について学ぶ機会も多い。
昨年末の東紀州防災ネットワーク推進会議紀北部会では専門家から「南海トラフ地震の最大規模は東日本大震災クラスだが、想定震源域が陸地に掛かっているため、強い揺れの範囲が広い。沿岸部が震源域に近く津波の到達時間が早いため、東日本大震災よりも被害が大きくなる可能性がある」との説明を受けた。潮南中の防災学習報告会でも「海辺に住んでいる人も多く、太平洋ベルトの主要産業を直撃するために被害が大きい」と指摘があった。
コロナ禍の中で、被災時の感染症対策も議論されている。どれだけ準備を重ねても想定外の事態は起こり得るが、個人で防災グッズを準備しておくと安心につながる。
船津小の防災学習会で、被災者から「地震後の床はグラスや食器が散乱していて危なかった。足をけがしてしまえば避難できない」との体験談を聞いてから、枕元にスニーカーを置いている。履く機会がなければいいと思う。
(R)