尾鷲高校生が地域活性化策を考える「まちいく」の発表を拝聴した。高校生ならではの柔軟な発想と、まちへの愛着がにじむプレゼンはすばらしく、非常に有意義な取り組みだと考えている。
尾鷲市の課題は海洋深層水で、2つのグループが塩バウムクーヘンと化粧水の商品展開を提案した。ドイツ語で「木のケーキ」を意味するバウムクーヘンは、尾鷲ヒノキのまちで育った高校生ならではの発想だろう。近隣市町との連携と、自然ツアーでの手作り体験に言及していたが、手作り体験は昨年度宮之上小が取り組んでいた「木育」などに取り入れると、さらに尾鷲として独自色が出せる。
甘夏の香りをつけた化粧水で、消費者への訴求力の強い嗅覚に高校生が着目した、ということも興味深い。香水メーカーがサンプルとして緩衝材の空気に香りをつけたら注文が増えた話や、嗅覚と結びついた記憶は印象に残りやすいという研究結果もある。例えば、ヤーヤ便やふるさと納税の返礼品にサンプルとしてつければ、従来と違った印象になるのではないか。海洋深層水の効能や魅力に着目してもらえれば、その海で獲れた魚の価値も上乗せできる。
(R)