新型コロナウイルス感染による死者が600人を超えた。秋から冬にかけて猛威を振るうインフルエンザの2018年の死者は3325人。単純に死者の数で比較するものではないが、ワクチンなどの即効薬もないことから、収束時期が見えず、恐怖と不安が広がる。非常事態宣言や連日の報道で、まるで不治の病のような印象。
新型コロナウイルスを巡っては、医療従事者や感染者、それらの関係者などへの不適切な言動に始まり、長期化する自粛要請の中で、ルールにのっとって営業する店舗にさえ嫌がらせをしたりする〝自粛警察〟。さらには、県外ナンバーの車を傷つけたりする〝他県ナンバー狩り〟まで。事情があって他県のナンバーの車に乗っている人もおり、地元住民だとアピールするステッカー作ったり、自治体が配布する事態になっている。
先日の会見で鈴木英敬知事は「本当に怖いのは、恐怖や不安から生じる、ヒトがヒトに対して行う差別や人権侵害のような社会的な恐怖」と訴えている。
あおったり感情的にならず、正しい情報に基づいて〝冷静に怖がる〟、そして感染予防対策をしっかりとること。敵は人ではなく、ウイルスである。
(J)