不要不急の外出を控える中、まだ読んでいない本が部屋に積んであることもあって、図らずも〝読書の春〟となっている。今はさしずめ「書を手に、家にいよう」といったところだろうか。
よく晴れた日に窓から空を眺めると少し恨めしくなるが、それでもページをめくる手が進む。こんな時だからこそ、図書館の本の貸し出しは対応してほしいが、職員や利用者の安全確保のためには止むを得ないのかもしれない。
講談社が運営している文芸ニュースサイト『TREE』で、連載『Day to Day』が始まった。赤川次郎、恩田陸、近藤史恵、西尾維新、森博嗣などさまざまなジャンルの50人以上の作家が日替わりでリレーしていく企画。本紙で連載中の『琥珀の夏』の作者、辻村深月さんがトップバッターを務めた。
パソコンやスマートフォンから無料で見られ、文字数も1日1000文字程度でさらっと読める。名前をよく耳にして興味のある作家は多いが、なかなか手が出しにくいこともあり、多くの作家の作品が試し読みできるのがいい。
緊急事態宣言の延長を受け、我慢の時はまだ続く。小さな楽しみを見出していきながら過ごしていく。
(R)