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紀南抄「新米いただきます」

 コロナ禍のお盆が終わった。個人的には、帰省する身内や友人もおらず、いつになく寂しい夏休みとなってしまったが、また正月に会えることを願って日常生活に戻ろうと思う。
 
 世の中の騒ぎなど知らぬとばかりに、今年も例年通りの暑い日が続いている。外出するのも控えた方がいいほどの危険な暑さだが、紀宝町などでは一足早く稲刈りが最盛期を迎えている。
 
 先日、親族の田んぼで微力ながらお手伝いさせていただいた。生産者の高齢化が進む中、今年は遠方からの手伝いも期待できず、どこも大変だろうと思う。今は機械での作業が増えて負担は随分減ったとはいえ、まだまだ人手が必要で、農家の人たちは暑さと戦いながら汗水を流していた。
 
 以前、昔ながらの田植えや稲刈りにも参加したことがあるが、腰や手が痛いし重いし、大変な労力だった。少しずつ品種改良や効率化を進め、脈々と受け継がれてきた日本人の心。これからも私たち、そして子どもたちの世代まで大切に伝えていかなければならない。農家の皆さんが丹精込めて作ったお米。今年もおいしくいただきます。
 
【織】

      紀南紗

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