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「町民感情考えるべき」 引き上げ額に異論相次ぐ 紀北町の議員報酬

 紀北町の特別職報酬等審議会の第3回会合が23日、町役場で開かれた。事務局から議員報酬を月額30万円とする改定案が提示されたが、委員から「町民感情を考えれば賛成できない」との意見が相次ぎ、継続審議となった。

 
 議員報酬の根拠として、議員と町長の報酬と活動日数を比較した算定式が提示された。議会・議員活動の日数を132日(議会活動50日と議員活動の平均日数82日)、町長の職務遂行日数を305日とした上で、町長との活動日数の割合に町長の月額報酬72万円に掛けると31万1607円になるため、町議会からの参考意見である30万円を提示した。

 藤村達司委員(みえ熊野古道商工会長)は「今後の議会の在り方を考える上でも引き上げは必要。将来のことを考えた議会からの申し出は無下にできない」と引き上げそのものには理解を示したものの、「物価も高騰し、町民が不安がっている状況で、いきなり10万円近くの引き上げは町民の理解が得られるのか。住民感覚として認めらないような改定案を通すことは、審議会への批判につながる」と引き上げ額に難色を示した。

 民部成子委員(女性会議きほく会長)も、引き上げそのものは必要とした上で、引き上げ額について「主婦からすれば『何にもしていないのに、30万円ももらえるの?』ということになってくる。人口減少で財政も厳しくなってくる中で、改定案では三役の給与と議員報酬の引き上げで年間2000万円がかかるが、どう工面するのか」と指摘し、中井万里子委員(紀北町文化協会副会長)も「一気に10万円近く上げる話は町民に納得は得られないのでは」と述べた。

 議員報酬の試算資料となった2024年の議会活動のうち、法定外会議や住民懇談会、議会報告会などが行わなかったことも問題視された。藤村委員は「議員の活動が見えず、懇談会や意見交換会などで反映してもらえないか」、民部委員も「議員のなり手がないのは議会に魅力がないからではないか。議員の活動が見えにくいのが問題」と語った。

 松永忠與委員(森林組合おわせ代表理事組合長)は、高卒の町職員の職員が2006年と比較して46.3%上がっている点を指摘し、「この20年間で物価も上昇しており、過酷な条件を強いてきた。引き上げ額は妥当ではないか」とし、「根拠を明確にして住民に説明する必要がある。財政に関しては行政や議会の領分で、審議会が意見すべきではない」との意見を述べた。

 藤村委員は「審議会は町民感情をくみ取るべき。職員の初任給が上がっているといっても、民間はそこまで上げられておらず、物価高騰分も価格に転嫁できずにいる。改定案には賛成できない」と述べ、民部委員と中井委員も同調。濵田長宏委員(元紀北町行財政改革推進委員会委員長)は「裁判員裁判制度のように、町民感情を取り入れるのが審議会の役目では。月額10万円の引き上げはハレーションを起こしかねない。段階的に上げていくことが落としどころではないか」と意見を述べた。

 議員報酬のほか、町長、副町長、教育長の三役の報酬を2007年の減額前に戻し、期末手当率を職員の水準に合わせる改定案が示された。これに関しては、松永委員は「ほかの町と比較しても、戻すのは妥当」、藤村委員は「減額前に戻すもので、問題はない」と述べた。

 第4回は7月9日に実施予定。審議は原則公開で行われる。

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