この地の悩みに獣害がある。何度か獣害対策のセミナーにお邪魔した。雑草を刈り取り、イノシシなどの居場所にしない、ネットを正しく張る、柵(電気柵)を効果的に設置するなどの対策がある。
しかし、柵やネットの設置に関しては、比較的限られた面積の田畑を囲むことは容易であっても、大きな集落を囲む場合や広範囲にわたる柵設置の場合は人や車が通過するための道路を完全に防ぐことができないというデメリットがある。
最近、グレーチング(溝ぶた)が獣害対策として活用されている。本来、道路の側溝などに使用されているものだが、これを人や車が通行する道路そのものに設置するというもの。イノシシやシカなどの奇蹄目(きていもく)に分類される動物は、グレーチングの網目にひづめが引っかかることから、渡ることができないというメリットがある。
一方、大きな効果が期待できる反面、道路工事や道路の一時封鎖など個人では対応できない大きな課題が残る。都道府県や市町村などと協力することで広範囲にわたって設置することが可能になる。可能性を探ってほしい。
【茂】