一昔前まで、資格取得が難関だったのは、医師と並んで弁護士が双璧だったが、明治時代には「三百代言」という言葉がはやった。明治初期、代言人(弁護士)の資格がないのに他人の訴訟や裁判を扱う人間を見下した言葉だ。三百文程度の値打ちしかないことを指した。
レバノンに逃亡した日産自動車前会長カルロス・ゴーン被告の弁護士H氏が辞任したようだ。東京地検が保釈に反対する中、東京地裁の裁判官が許可し、国外に脱走された。このことも含め、日本の司法制度が、世界中の笑いものになっている。
請け負った弁護士団や許可した裁判官の責任が問われるのは当たり前。弁護士が所属する東京弁護士会に懲戒請求が出されたという。最悪「除名」となれば弁護士資格を失うことになる。〝無罪請負人〟の異名をもつ有名弁護士が、世界的大富豪の弁護をはした金で引き受けるはずがない。
法科大学院制度の導入で、弁護士資格者が爆発的に増えて、2018年には4万人を超えた。ところが増え過ぎて、若手の収入が年収2、3百万円程度に過ぎないという統計がある。
営業力のない、特権意識だけ強い、弁護士の行きつく先は何だろうか?
(北)