紀北国際交流協会による中国、ネパール、ベトナムの料理教室の雰囲気はとてもよかった。母国の料理を作って振る舞い、お互いの国の味を食べ比べる、文化や言語に違いはあれど、おいしいものを食べると幸せになるのは万国共通だろう。食を通じた交流イベントは有効だ。
異文化共生について考えさせられるニュースが昨今多い。排外主義とナショナリズムの台頭は世界的な潮流でもあるが、外国人の受け入れは人口減少、労働力不足が顕著な地方の維持では必要条件といえる。その一方で、共生はきれいごとではなく、双方ともに我慢や変化が必要で、どうしてもコストや摩擦が発生する。
学校を取材していると、日本と異なるルーツを持つ児童生徒を見ることも珍しくはない。中には言語的なサポートが必要なケースもあるが、打ち解け合っていく子どもたちは、言語や文化に違いはあっても、触れ合いや話し合いの中で乗り越えていけるという、有意義で得難いことを学んでいる。共生に苦労があるとして、未来のために得られることは多い。
(R)
