市長選と同時に行われた尾鷲市議選は、議席を大きく上回る14人で争われた。地方議員の担い手不足が深刻さを増す中、現職と同数の新人7人が立候補した。選択肢が増えたのは、有権者には喜ばしいことだった。
だが、町の将来に関わる一票を誰に託すのか、迷った有権者が少なくなかったと推察する。街頭演説する候補者の姿はあっても、家に居ることの多い人は、個々の主張や政策を直接聞く機会が少なかった。最も身近な選挙なのに、どんな候補者なのか分からぬまま投票所に向かったのではないか。
全ての候補者の演説を直接聴くことができれば、人物も分かり評価しやすいが、告示前に限られる公開討論会の開催は難しく現実的ではない。国政選挙と知事選に認められている政見放送に似た放送媒体があれば、判断材料になってありがたい。公選法で可能なら、各候補者の動画を選挙期間中にエリアワンセグで流してはどうか。
その前に、次期選挙に向けて、今回当選した議員の発言や政策をチェックしていくのが市民の責務である。
(N)