おわせ港まつりの花火を撮影しようと、天満浦の丘から暮れなずむ海と山を見ていた。温くなった茶を飲みながら、まぶしい赤から紫、紺碧と色を変えていくわがらのまちをぼんやりと眺め、待つ時間も退屈しなかった。もちろん花火もすばらしかったが、尾鷲の良さはまちそのものの美しさにある。
毎年思うことだが、港まつりは、もうちょっと評判を呼んでもよい。まちと山に囲まれて観覧できる範囲が広く、何より花火とまちが近い。美しい景色の中で、迫力ある花火を見ることができる。
澄み切った蒼海と白砂青松のある三木里海水浴場は今夏から再開。三木里インターチェンジで交通の便も良く、徳川吉宗ゆかりの松林もあり、まちなみを含めて、三重県一のポテンシャルを持つ海水浴場だと考える。一部の観光客による騒音やごみなどの問題は解決しなければならないが、夏の観光誘客の核であることは間違いない。
ほかにも矢ノ川や八十川、甘夏みかん畑、岩屋堂、八鬼山とこのまちが持っている資源は多い。まだまだ伸び代は大きい。
(R)
