厚生労働省は再来年度から、都市部の病院に採用された臨床研修医が、医師が少ない地方で一定期間働く仕組みを導入する方針。対象となるのは、東京、大阪、京都、岡山、福岡の5都府県。地方に当たるのは三重県や福島県、長野県や東北地方など。
都道府県ごとに研修医の募集定員が決められているようだが、研修医が都市部の大病院に集中している現状を踏まえ、分散を図る。対象は原則として、臨床研修2年目の医師。期間は半年以上とする予定。希望制ということで、実効性が上がるかは未知数。
先だって行われた一見勝之知事と加藤千速市長の円卓対話でも尾鷲総合病院の医師確保がテーマになった。一見知事は、さまざまな症状の人を診察できることが地方病院のメリットと指摘した。一定の生活の不便さがある中で、地域医療に関心を持ってもらいメリットと感じてもらえるか。厚労省はこの制度による研修で地方の良さを知ってもらい、定着につなげたい考え。この対策が成果を上げることを期待する。
(M)