真田広之さん主演・プロデュースの『SHOGUN 将軍』が米エミー賞を最多18部門で受賞した。リメイク前のドラマロケ地の紀北町にとってもうれしいニュースで、時代小説の愛読者としては、日本の時代劇が世界に評価されたことに感動する。
司馬遼太郎に吉川英治、山本周五郎、池波正太郎による数々の名作を読み終えても、宮城谷昌光、和田竜、永井紗耶子と多才な作家が続々と作品を生み出し、読むのが追いつかない。
若手の時代小説家の旗手は『じんかん』『塞王の楯』を書いた今村翔吾氏だが、その今村氏が手掛ける「秘境の文筆家プロジェクト」が興味深い。才能を見込んだ男女4人を宮崎県椎葉村の地域おこし協力隊として移住させ、作家デビューを目指す。
村としても作家と強い結びつきができ、舞台の小説が映像化すれば大きな宣伝効果が得られる。地域おこしの精神にも十分適う。
特に尾鷲市は協力隊による地域おこしには積極的に取り組んでいる。小説や音楽、サブカルチャーなどの分野の募集も検討してはどうか。
(R)