賀田小学校であった学習机の天板交換の一コマ。「これ何でできているかな」と先生が問うと、3人の1年生は間髪入れず「尾鷲ヒノキ」と答えた。1人に聞いてみると、「保育園のときに尾鷲ヒノキでカレンダーを作った」と話してくれた。
尾鷲ヒノキの子どもたちの認知度は高い。昔と違う。市では、幼児期からいろんな体験を通じて、自然の魅力や価値を学んでもらう木育体験を行っている。その取り組みの積み重ねが認知度を上げたはずだ。
地域の産物や名所が地域住民に愛され、誇りに感じられることは、その地域のアイデンティティや文化を強化する重要な要素である。自分たちの地域の宝を大切にし、誇りに思うことで、その価値がさらに高まり、外部からの評価も向上する。地域住民が積極的に関与すれば、地域の持続可能な発展にもつながる。
木育は、子どもたちに木や森について知ってもらうことから林業を見直す気の長い取り組み。何十年何百年かけて育つヒノキと同じように、長い目で見守りたい。
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