自民党総裁選が9月27日に行われる。岸田文雄総理が不出馬を表明して、「ポスト岸田」レースが一気に活発化した。
19日には先陣を切って、小林鷹之氏が総裁選への立候補の意向を正式に表明。派閥の裏金事件を踏まえ、「自民党は生まれ変わる。私たちの姿を見ていただきたい」と語った。49歳の若手で、党刷新の期待を抱かせるが、そう簡単に事が運ぶだろうか。長く権勢を維持してきた党内長老の影響下から抜け出すことができるのか、と懐疑的に見てしまう。
誰が新総理になろうと、政治が大きく変わるとは考え難い。政治を変えるには政権交代しかない。支持政党がなく、政治に不信感を持つ無党派層が6割を占めるともいわれる時代。一つの政権が長期的に権力を握ると、民意との乖離を埋められなくなる。
国民の信頼を失えば、他党に取って代わられるという緊張感が政治を高めていくのではないか。多様な民意に謙虚に向き合い、国民のための政策の実現につなげる政党、政治家をわれわれも見極めないといけない。
(N)