厳戒態勢のパリ五輪が始まり、自らの人生と周囲の期待を背負った選手が熱戦を繰り広げている。日本のお家芸、柔道では角田夏実選手が夏季五輪500個目の金メダルで口火を切った。角田さんの地元の千葉県八代市は市民会館などでパブリックビューイングを行い、地元の星の快挙が決まる午前1時まで市民が声援を送り続けた。
個人的に応援していたのが、競泳女子100メートルバタフライ。選考会で紀北町出身の廣下菜月選手を破った平井瑞希選手は決勝7位、白血病から回復して3大会連続出場の池江璃花子選手は準決勝で敗れた。世界の壁は本当に厚く、勝つことは容易ではないからこそ、勝利が尊い。
勝負事に「たられば」は禁物だが、もし廣下さんが出場していれば燈籠祭と重なり、関係者は苦悩することになっただろう。廣下さんはまだ大学4年生、さらに尾鷲高校水泳部や海山スイミングクラブの後輩も控える。角田選手の地元の盛り上がりは正直うらやましいが、決して尾鷲市や紀北町でも夢物語ではないはずだ。
(R)