兵庫県の斎藤元彦知事が、県内自治体の特産ワインを〝おねだり〟したとされる音声が公開され、話題となっている。ある県議が「ひと押しを」と支援を求めたところ、知事は「まだ飲んでないので、折りをみてよろしくお願いします」などと話したという。
言い方しだいの部分もあるが、これだけを見ると、社交辞令と言ってもいい内容。地域の特産品を知事(場合によっては総理大臣)に味わってもらうために、提供することはPRの手法の一つとなっている。パワーハラスメント騒動がなければ、ここまで大きく取り上げられないのではないか。
県内各地の物産のPRも県の仕事の一つ。三重県は「三重ブランド」や「みえの伝統野菜・伝統果実」「みえの食セレクション」などの認定を通じて、PRと高付加価値化に取り組んでいる。
知事は、ある自治体の産品を特に取り上げてPRすることも難しい。戦略的に「折をみて」うまく宣伝につなげることが重要だが、今回の騒動で結果的にワインの認知度が上がったとも評価できる。
(M)