紀北町社協の子育て応援マルシェは3回目となり、育児用品も来場者も増え、ワークショップやゲームコーナーも好評だった。うれしそうに大きなぬいぐるみを抱えて走る子を何人か見かけたが、わが身を振り返ってみると、こういった自分の希望が叶うような体験は、ささやかなものでも案外よい思い出として残り続ける。
夏祭りや花火大会、縁日と人がたくさん集まるイベントが増える季節となった。人口が減り続ける地域だからこそ、たくさんの人を集める機会の存在価値はより大きくなる。子どもらの楽しい思い出は郷土愛につながる。
科学は発達し続け、社会は便利になり続けているはずだが、虐待やいじめ、孤独死など社会として対応すべきだったニュースが続く。小中高生の自殺者はコロナ禍で跳ね上がり、一昨年は過去最多の514人、昨年は513人と依然と高い水準が続く。子どもたちの悩みが全て解決できる訳でもないが、人が集まる機会をつくることは、苦しみを少しだけでも緩和させることにつながるのではないか。
(R)