紀北町の三船中学校の1、2年生が自然体験学習に取り組む「紀北育」が始まった。元々隣の尾鷲市では「おわせ育」が進んでおり、1年間を通じて自然の中で主体的に学ぶ取り組みの根幹は同じで、今回は自治体の枠を越えて自然体験学習プログラムを試行する、という側面を持つ。
この地域の自然を学ぶことは、漁業と林業の理解を深めることに直結する。今後の日本の産業振興を考えれば、和食という独自の観光資源の要である漁業の産業化は必要条件。林業は地球温暖化防止やカーボンニュートラルに直結し、「山林を守って育てる技術」の重要性は上がっていく。この2つの産業で高い水準で持ち合わせているのは、この地域の強みである。
学問は理論に基づいて体系づけられた知識と研究方法の総称のこと。文科省はアクティブラーニング(能動的な学び)を推奨しており、自然や一次産業、文化を体験する教育プログラムは需要があるはず。テストケースが増えれば標準化につながり、交流人口の増大や今後の担い手の育成にもつながる。
(R)