先だって、紀勢自動車道の勢和多気から尾鷲北インターチェンジの完成後10年が経過したことから、紀勢国道事務所が10年間の整備効果を発表した。経済効果は累計で約1000億円という。整備費はざっと2450億円。維持管理に資金が必要としても、単純計算で30年ほどあれば〝元が取れる〟ことになる。
台風や大雨時の国道42号の通行止めリスクが各段に低減した。以前は大雨の時、矢ノ川峠、荷坂峠などが通行止めになり、東紀州地域内外が行き来できなくなることがあった。基準降雨量が引き上げられ通行止めの回数自体減っているとはいえ、経路が2つある安心感は大きい。
無料区間の尾鷲—紀伊長島間だけを考えても恩恵は非常に大きい。通勤だけを考えても往復で1日30分程度の時間短縮・負担軽減につながっている。
観光面ではこれからの取り組みが重要になる。例えば名古屋から熊野観光に行く通過時の、単なる立ち寄り先ではなく目的地になることが引き続き課題。今後も官民連携で誘客に取り組んでいかなければならない。
(M)