自民党の政治資金パーティーの〝キックバック〟や〝中抜き〟を巡る問題。注目が集まっていた安倍派事務総長経験者の幹部の面々は起訴されない見込み。報道によると、派閥の会計責任者との共謀が確認できないとのことだが、個々の政治資金規正法違反の疑いは消えない。「大山鳴動してねずみ一匹」という結果と言わざるを得ない。
パーティー収入は企業では〝売り上げ〟に当たる。帳簿につけずに従業員に配ると売り上げ除外として、税務署から厳しい指導を受ける。逆に中抜きは、従業員らの窃盗、横領、あるいは役員の背任などに該当する行為だろう。これらと「おとがめなし」との差は大きすぎる。
派閥を解散する動きがあるが、国民が求めているものとは大きく違う。「3人寄れば派閥が生まれる」という言葉がある。人が集まればグループができるのは当然だし、政治には資金が必要という現実も理解する。その上で、国民が納得する仕組みの構築が必要。新たな仕組みが骨抜きにならないよう願う。
(M)