少し未来、例えば10年後を考えてみる。人口は減少。尾鷲市でいうと1年で200人程度減るとして人口は1万3000人あまりになる。出生傾向が変わらなければ中高年より子どもの方が減る割合は大きい。
ここ数年、人工知能の発達が著しい。デジタル・トランスフォーメーション(DX)も進む。いわゆる事務の仕事の多くは、現在以上に場所を選ばなくなる。都会の仕事をこちらに持って来て人口が維持できるか。この地方の事務仕事が都市部で集中的に行われるようになるか。
農林水産業も機械化が進む。遠隔操作でできる作業も増えるだろう。法律や実際に機械を動かす環境の整備も必要だが、地方にいて仕事ができるのと同様、都市部にいて地方での第一次産業の仕事ができる可能性もある。地域に働き手が必要なくなるか、機械化が進むことで経済的メリットが生まれて新たな仕事が地域に起こるかでも大きな違いが生じる。
現在の場所の観念が揺らぐ10年になるだろう。地方にとっていい方向に向かってほしいと願う。
(M)