夏休みの思い出のうち、盆踊りは終わりの始まり、といった感じでなんとなく寂しさがある。それでも地元の盆踊りの歌は未だに覚えている。踊ってみると、合っているかは分からないが、体が自然に動くのは不思議だ。
台風7号の直撃で、地区によっては今夏から復活するはずだった盆行事が中止に追い込まれた。延期されながらも4年ぶりに盆踊りが開かれた地区もある。老若男女が和気あいあいと踊る光景と、「今年こそはやりたいと思っていた」「久しぶりでうれしい」という言葉には心が動かされた。
先祖を招いて供養する盆行事は、祖先や先人に思いをはせることにつながり、情操教育として良質な取り組みではないか、と思う。夜店やくじ引きなどの企画もあり、地域住民の交流の場でもある。
子どものころはお菓子やアイスキャンディーに釣られていたが、今となっては懐かしい思い出で、一人部屋でぎこちなく踊るしかない我が身は寂しい。地域に根付いている行事が続く貴重さを改めて感じている。
(R)