2040年までに全国の自治体の半数ほどにあたる896自治体が消滅するとした「消滅可能性都市」の衝撃は未だに新しい。それに関する著書を最近読んで、「人口のブラックホール現象」という言葉が印象に残った。
大都市圏に流入した若年層の出生率が上がらず、さらに地方の若者を吸い上げていく、という現象。地方に若者がいなくなれば、大都市圏の経済を回していくシステムを維持できなくなり、日本全体が活力を失っていく。消滅可能性都市に生きて、子どもが減少する現状を知る身としては、恐ろしい、というほかない。
社会の大転換は、思想の変化と技術の進歩が重なった時に起こると仮定してみる。SDGsやLGBTの尊重など社会の変化を感じるニュースは多く、DXだけでなく空飛ぶ車などの移動革命も示唆されている。SDGsの観点からも豊かな山や海を保全していくことは重要で、多様な人材を受け入れる下地をつくっておくことも必要。消滅の可能性に絶望する前に、まだやるべきことは多い。
(R)