新年度が始まり、多くの組織が新体制で動き出している。人事の妙はトップの腕の見せ所であり、今後の方針や狙いを推し量る機会でもある。
紀北町の人事異動については、課長職と主要なミッションを紐づけると、狙いが分かりやすいのではないか、と推測している。今回でいうと、ともに町外へのPRを担う攻めの部署の企画課と商工観光課の課長が代わった点に注目している。
企画課に関しては当初予算や所信表明を見ると、地域おこし協力隊の倍増に言及しており、既にSNSや動画サイト、空き家バンクなどの体制を整えている点を鑑みるに、新たに都市部との関係人口の増加を目指す取り組みを進めていくのではないか。
商工観光課は、大きなテーマとして熊野古道の世界遺産登録20周年がある。銚子川の夏季限定の有料駐車場は設置したが、コロナと悪天候で需要が分析しにくく、今年のハイシーズンはどうなるかは見当がつかない。コロナ禍で疲弊した町内経済への対応など課題は多く、担当者の腕の見せ所ではある。
(R)