尾鷲市の体育文化会館は耐震診断の結果、耐震性能がないということが判明。8日から使えなくなっている。雨漏りがすくるらい老朽化しており、「耐震診断の費用がもったいなかった」との声も聞こえる。
今後、取り壊すことになるが、8日の市議会行政常任委員会で加藤千速市長は、「1億円以上の費用が掛かる」と目算を示し、「国からの補助金もない。費用をどう捻出するか庁内で検討する」と説明した。できるだけ早期に取り壊した方がよい。
理由をいくつか挙げると、長期間放置すると維持費が発生する。空き家対策を進める中で市は率先して対応することが望ましい。更地にしておけば利用価値が高い。
少しでも財政に余裕のあるうちに対応すべき。ふるさと納税が好調なおかげで、いくばくかの財政調整基金がある。今後、人口減で税収が減るほか、病院への支出も増える可能性が高い。壊す前に大地震が来て道路側へ倒れると、市街地と病院とを結ぶルートの一つがふさがれる。死者やけが人が出るとその補償でも費用がかかる。なるべく早く対策をとることが、結果的に財政負担の圧縮にもつながるはずだ。賢明な判断を願いたい。
(M)