三重県議会議員による国葬にまつわるSNSのトラブルが全国的な話題となっている。事態を重く見た県議会による政治倫理条例の改正案では、差別的な投稿に「いいね」ボタンを押すことを禁じる内容が含まれている。内容を差別的とする線引きや言論の自由の観点から考えれば難しい問題ではあるが、選良たる議員に対してそんなことを決めなければならないのか、という気持ちになる。
SNSだけでなく、幅広い分野でデジタルツールに理解が深い人材は必要となる。本紙地域にも官民に関わらず、SNSで積極的に情報発信や問題提起を行っている人も多く、内容は是非は分かれるとしても、熱意は好ましく思う。その一方で、発信した情報に責任があることも十分に認識しなくてはならない。
人を傷つけるような差別的な発言やデマを流布するような投稿は言語道断ではあるが、特に政治家はさまざまな問題に対して率直な意見を述べ、政策や信条、人柄を住民に知ってもらうことが望ましい。SNSは若い世代に訴えるために有用なツールであり、時代の流れに沿って学びを深め、幅広い世代に理解を求める姿勢も政治家にとってあるべきだと言える。
(R)