矢浜にある家電量販店の裏手の畑が、尾鷲中学校の3次避難場所となった。2次避難場所の国道42号からさらに坂道を上るため、想定を超えた津波でも生徒の安全はより確保できたといえる。
避難訓練を見ていて、国道42号を横断する際の安全確保が気になる。尾鷲中の生徒は300人以上で、津波が迫ってくることを考えると、先頭の生徒が「後ろのために早く行かないと」と無理に横断することは十分考えられるものの、津波発生時に細長い国道42号の歩道に大勢の生徒が待機するのは不測の事態を呼びかねず、3次避難場所に速やかに避難することが望ましい。
災害時に万全な対策をとることは難しいが、まず避難経路の近隣住民に周知することが重要ではないか。学校付近には学校教育に協力的な店や、交通安全活動に積極的な自動車関連の事業者も多い。もちろん自身の安全確保が最優先だが、大人が一声掛けるだけでも、避難する生徒の心持ちもずいぶん変わるのでは。
三次避難場所は「子どもたちのために」と住民の協力を受けて確保できた、という経緯がある。子どもたちを住民で守り育てるという気持ちを地域で培っていくことが望ましい。
(R)