11月の紀北町議会議員選挙に向けて、立候補者が名乗りを上げ始めた。現職は9月定例会の真っただ中で、傍聴席で選挙を意識しながら議員の意見を聞いている。
以前の紀北町議員選挙の際、期日前投票時にインタビューした30代の女性が非常に印象に残っている。医療や学習など子育てに関する具体的な不安を順序立てて語るのを聞きながら、この人が議員になればよかったのではないか、と正直思った。
もちろん選挙では年齢や性別にかかわらず個人の資質や主張で判断すべきだが、議会に子育て世代の声の受け皿があれば、と思う。18歳以下に1人2万円分を支給する「きほく子育て支援商品券」を行うなど、行政と議会ともに子育て支援に注力しているが、さらに細やかな施策が検討されればなおよい。
若い世代の立候補を望む上で、大きなネックとなっているのが議員報酬。議会改革特別委員会で「コロナ禍の中での引き上げは町民の理解を得られない」と見送った判断は妥当だが、現在の水準で現役世代が率先して地域の政治家を志してくれるかどうか。報酬の引き上げは時勢に沿うものではないが、定数との関連を含めて、今後も考えていくべきだ。
(R)