毎年4月から6月までの3か月間は狂犬病予防注射月間で、各地で犬の予防接種が行われている。
狂犬病は、狂犬病ウイルスを保有するイヌ、ネコ、コウモリを含む野生動物にかまれたり、引っかかれたりしてできた傷口などから侵入して感染。全ての哺乳類に感染し、人も動物も発症するとほぼ100%死亡するとされる。
一部例外はあるが、感染から発症まで一般に1~3か月。強い不安感や一時的な錯乱、水を見ると首の筋肉がけいれんする恐水症、冷たい風でもけいれんする恐風症、高熱、麻痺、運動失調、全身けいれんが起こり、その後、呼吸障害等の症状を示すという。
日本では狂犬病流行国で犬にかまれて帰国後に発症した事例が1970年と2006年、2020年にあるが、国内に限ると人は1956年、動物では1957年のネコを最後に発生していないが、周辺国を含む世界のほとんどの地域では依然として発生しており、侵入の懸念はゼロではない。
万一国内で発生した場合、素早くしっかりと発生の拡大とまん延の防止を図るためにも、飼い主一人一人が正しい知識を持ち、飼い犬の登録と予防注射を確実に行うことが必要になる。
(J)