紀北町議会の12月定例会の一般質問で、行政機構の改革について提案があった。課を細分化して課長の事務負担をより軽減して専門的な業務体制にする内容で、農林水産課を農林課と水産課、福祉保健課を福祉課と保健課に分離する具体案も示した。
提案の是非はさておき、その意図はよく理解できる。もちろん各分野に担当はいるが、課長は広範な職務を理解していなければならず、その上で各課における課題解決や今後の戦略も考えていかなければならない。
その一方で、役所に限ったことではないが、職域を越えた連携の難しさを感じることがある。紀北町で例を挙げれば、ふるさと納税は財政課が担当しているが、地域産品や体験型観光のPRの観点では商工観光課の仕事であり、都市部とのつながりづくりに取り組んでいる企画課の仕事でもある。高齢者福祉やちょい減らし+10は福祉保健課の仕事だが、健康維持のためのスポーツ施設は生涯学習課の管轄になる。
現場レベルで広範な対応が必要となった場合、部署を越えた相談や議論ができる組織であるかどうか、調整役は誰が担うのか、これらについて考えるのも重要な課題の一つだ。
(R)