先日行われた少年の主張で、本紙地域の中学生7人の意見発表を拝聴した。SDGsやヘイトクライム(憎悪犯罪)などさまざまなテーマで堂々と自分の意見を述べる姿はすばらしかった。特にコロナ禍で昨年の中体連の大会が中止となったことに対しての発表が心に残り、どうしようもない不条理が横行するコロナ禍において大人が子どもたちに寄り添えているのかを考えた。
コロナ禍で中止になった大会も多く、みえ国体は延期ではなく中止となったことがしこりのように残っている。もちろん三重県をはじめとした関係者も苦渋の決断ではあったことは疑いようもないが、戦後から続く国体の歴史の中で初の開催返上は非常に由々しき事態であるものの、全国的に見れば東京オリンピック開催の是非のような議論は盛り上がらず、あまり話題にも上らなかった印象がある。
スポーツは人間教育や健康福祉の観点からも重要で、国体はスポーツの普及と国民の体力向上、地方のスポーツ振興と文化の発展に寄与する意義がある。コロナが落ち着いてから、三重国体の中止が今後の国体のあり方や地方でのスポーツ振興を全国的に考えるきっかけになればと思う。
(R)