紀北町長選挙が始まり、現職と新人による一騎打ちの選挙戦が行われている。紀北町にとっては8年ぶりの町長選の中で、選挙という仕組みはよくできていると感じる。町の現状や課題、行われている施策、今後の方針を定期的に検証し、地域の未来について話し合う機会になる。
過去の町長選の投票率を見てみると、現職と元職の一騎打ちとなった平成25年は72.95%、候補者5人による乱戦になった21年は79.83%。
投票率の低下や若者の政治離れが言われて久しいが、過去の国政選挙を見ると、確かにその傾向は見られる。昭和は7割前後だった投票率が平成に入って減少傾向になり、令和元年参議院選は48.80%。
その一方で、小泉旋風が巻き起こった平成17年衆議院選で67.51%、民主党による政権交代が行われた21年衆議院選で69.28%と、記憶に残る選挙は投票率が上昇する。一票には、確かに社会を変える力がある。
選挙は、ただ投票するだけでなく、まちや社会について自分なりに考えたり、情報を集めたりすることに意義がある。候補者の主張や公約に耳を傾け、地域の未来を考えるきっかけにしてほしい。
(R)