小中学校の終業式の後、三木里に向かう途中で矢ノ川に自転車を走らせる子どもたちの姿を多く見かけた。長い梅雨も明け、晴れの日も続く。夏が来た、と感じる。
尾鷲市と紀北町の観光業を見比べていて、キャンプの受け皿の差が気に掛かっている。尾鷲市は三木里海水浴場くらいしか思い浮かばないが、紀北町はキャンプinn海山、孫太郎オートキャンプ場、古里海岸、比幾海岸に加え、今年から島原にうぐいすの森キャンプ場がオープンしている。銚子川の知名度は全国区だが、矢ノ川や八十川も劣らぬ魅力ある川だと思う。
尾鷲市でも川を軸とした観光戦略に可能性は見いだせないか。たとえば、おわせSEAモデルの一角として、矢ノ川の下流部に〝キャンプinnおわせ〟のようなものは造れば、今後の誘客の布石となり得るのでは。
自然が豊かな地域だからこそ、自然体験は観光の核になる。海水浴や釣り、スキューバダイビング、熊野古道、木工体験など可能性を感じるものはあるが、人が集まらなければ収益が上がらず担い手も育たない。安心安全な環境を整備してこそ、住民や事業者が積極的に観光誘客事業を展開する土壌になり得る。
(R)