国会は16日に閉会した。東京都議選のある年は、延長がないか、延長期間が短いのが通例。国政に次ぐ大型選挙で、各党とも集中したいという事情がある。
野党が国会を延長しない政府を批判していたが、必要なら「いづれかの議員の総議員の4分の1以上」で臨時会を要求すればよい。内閣は「召集を決定しなければならない」(憲法53条)ことになっている。「期限が書かれていない」と堂々と違反した内閣があり、死文になった感もあるが、即座に臨時会を要求しないのは、野党も延長を望んでいないからだろう。
政治資金の問題も与野党ともに腰が引けている。「法律の定めるところにより国庫から相当額の歳費を受け取る」(49条)とあるが、「返却を求めることはできない」とは書いていない。少なくとも法律を変えるべきだろう。
衆院の解散がなかったのも都議選の影響だろう。秋に総選挙だと紀北町長選(10月31日執行)、熊野市長選(同24日執行)と重なる可能性がある。状況によっては知事選という話も出ている。コロナ禍への対応と将来への対策が問われる選挙になる。有権者は任期中の行いを覚えておく必要がある。
(M)