「エスカレーターは立ち止まって利用しなければならない」。報道などによると、埼玉県議会は26日、最大会派の自民党県議団が提出した「埼玉県エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」案を賛成多数で可決。10月1日から施行する。
違反した利用者や管理者に対する罰則はないとはいえ、条例が必要なのかの思いもあるが、背景にあるのは後を絶たないエスカレーターの事故。業界団体によると、2018年1月から2年間に全国で1550件発生。このうち、手すりを持っていなかったり、歩いていてつまずいて転倒するなどの事故は805件あったという。
利用者が多いところでは片側をあけ、急ぐ人がすり抜ける光景を見かける。あるアンケート調査によると、「人やカバンなどがぶつかり、危険と感じたことがある」と答えた人は57%という結果もある。すり抜けざまに他の利用者や荷物と接触して思わぬ事故を引き起こしたり、通常の階段より1段の高さが高く、元々歩くように設計されていないのは事実。
賛否両論はあり、〝マスク警察〟なるものが出てこないかの懸念もあるが、一人一人が安全な利用に心掛けることが第一である。
(J)