尾鷲市の令和3年度当初予算案が発表された。一般会計は94億1942万5000円。骨格予算ということもあって、昨年度の当初予算に比べて4億円余り、4.3%少ない。いくつか政策的経費が含まれているものの、逆に言えば毎年やっているイベントを除き、市長の思いが反映できる予算が4~5億円しかないということ。
この費用でいかに市の活性化を図るかが市長の腕の見せ所と言える。市長選、市議選とも5月30日告示、6月6日投開票。先に野田拡雄市議が市長選挙への立候補を表明したが、現職の加藤千速市長はまだ。3月議会の一般質問に答えてというのが一番考えられる筋書き。他に表明があるかどうか。
新型コロナウイルス感染症でいろいろ動きにくいこともあるだろうが、市長選に向けた盛り上がりがまったくない。予算がないから「あれをする、これをする」とも言いにくい。独自の展望が示せないなら「誰がやっても同じ」と、市民の市政への関心も一層薄れてしまう。
選挙は祭りとともに、まちへの関心が高まる機会。お金をどう使っていくのかということをしっかりした論拠を持って議論し合うことを求めたい。
(M)