東紀州5市町による広域ごみ処理施設の一部事務組合設立に向けた協議を行うために、各市町で議会が開かれた。紀北町は日程の都合で他の市町に遅れての開催となり、わずか1票差で可決された。
広域でのごみ処理は経費の削減や環境負荷の低減が期待できる。それでも紀北町議会では、時期尚早、既存施設の改修の検討、各市町の費用負担など、さまざまな反対意見があったが、個人的には予定地の問題が最もネックとなっていると感じた。
もちろん設置場所の選定や交渉は尾鷲市の所管だが、「反対がある状況で組合が立ち上がれば、責任は5市町に発生する」との反対討論があり、賛成討論でも「場所については非常に懸念している」との声も。その議員の言葉を借りれば、「非常に難しい判断」だったことは確かだろう。
5市町の議会の議決がそろい、広域処理への議論は前進したものの、1票差という事実は重い。ごみ処理は日常生活になくてはならず、環境保全や災害対応にもかかわってくる。重要な施設であり、5市町で協調できるテーマだからこそ、多くの住民が理解、納得できる形で議論を進めてもらいたい。
(R)