新型コロナのワクチン接種に絡んで、不審な電話やメールがあったと、国民生活センターが注意喚起している。詐欺被害につながりかねないので気をつけたい。
住民の不知につけこんだ手口。過去に「訴訟最終告知」などと書いたはがきが届く詐欺の手法があったが、それも司法・裁判制度になじみのない人を狙ったものだった。
社会が複雑、多様化していて変化も早い。「知らないこと」がたくさんあるのは不思議ではない。立ち止まって考える、調べる、家族や知人に相談することで被害を防ぐことができる。
ワクチンが無料であることの周知は行政の役割だろう。昨年9月に方針が出て12月に9300億円だったかの予算がついた。無料であることはすでに前提となっていて、「ワクチン接種」ニュースがあっても今更言及されない。厚生労働省の関連ページのQ&Aにも料金について記載がない。関係者は当然のこととして理解しているから、情報不足に気が付かないのだと思う。
これまでに経験のない事態で、不安に思う人も多い。高齢者への接種が始まる段階で、さらなる詐欺が生まれる懸念がある。行政には、丁寧な情報提供を求めたい。
(M)