安倍首相が辞任する意向を表明した記者会見で、長期政権の功罪などを問う質問があった。政権の評価はさておき、地方創生の観点からの質疑応答が興味深い。
「地方創生、東京一極集中打破を強調していて、期待を持って見ていた。大きなパラダイムシフト(価値観が劇的に変化すること)には至っていないと思うが、評価はどうか」という質問に、首相は大きな変革は来ていないとした上で、「今まさにテレワークが進み、地方の魅力が見直されている。20代の若者の地方の転職希望が大幅に増加しているという調査結果もある。今回の感染症は国のあり方を大きく変えていく可能性があり、この大きな変化を生かしていきたい」と答えている。
確かに、ひと昔前から働き方のスタンスや生活モデルが変わっている実感があり、同年代からは自然豊かな地での生活をうらやむ声も聞くが、まだ現実性に乏しい選択肢の一つに過ぎないとも感じている。大変革が起こるとして、どんな施策が有効で実行可能なのか、それまでどれくらいの地方都市が持つのか、この先地方が生き残るために自発的に考えていかなければならないという思いを強くした。
(R)