新型コロナウイルス感染症に関する商品券事業。尾鷲市は現在発売中の5割上乗せの「お食事券」と、5割の地域応援券、2割の共通券の3本立て。紀北町は全世帯に配布する「きほく生活応援商品券」と、5割のプレミアム商品券の2本立て。ややこしいが、それぞれの仕組みに苦労の跡が見られる。
先着順にすれば、極端に言えば10万円分買える人は5万円得するが1万円分しか買えない人は5000円しか得がない。得なのは分かっていても手持ち資金がなければ購入できない。また、使える店に制限をかけないと、利益が地域外に移転され十分な経済効果が得られない。
住民の負担なしも一つの方策だが、住民の資金も活用して経済効果を高めるのも一つ。尾鷲市の方式は手間もかかるが狙いが分かりやすい。もっとも、資金がなくて買えない人への対応と、市民以外の人を完全に除外している部分は、もし次回の発行があるなら改善を検討してほしい。
利用者の「ちょっと贅沢」が経済効果につながる。いつもより少し高いものを選ぶ、食べ残しにならない程度に1品増やすなど、得した部分で地域経済を応援する気持ちになってもらいたい。
(M)