尾鷲市が、新型コロナで低迷した地域経済の活性化のための商品券事業の概要を発表した。議会で議決されれば動き出すが、昨年度に消費税引き上げに伴い発行した商品券事業より効果のある取り組みが求められる。加藤千速市長は「市民の協力が必要」と繰り返し言っているが、使える店舗数が鍵になる。
昨年度の商品券は対象者が住民税非課税世帯や子育て世帯などに限定されたため規模が小さく、店舗側が登録を敬遠したという事情があった。今回は食事券を除いても5億4000万円。自分の店だけでなく地域経済のためにも市内店舗にはぜひ登録をお願いしたい。
多くの人に買ってもらう必要があるが、以前も指摘したように、一度にまとまったお金を支出するのは難しいという人もいる。特別定額給付金を購入費に回すことも考えられるが、商品券の売り方には一層の配慮を求めたい。
店舗にとっては売り上げを伸ばすチャンスでもあるが、商品券を現金化するまでに時間を要すると思われる。そのことで登録しにくくなっているなら、こちらにも配慮が必要だろう。食事券と異なり、少し時間に余裕がある。丁寧な制度設計に期待したい。
(M)