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社説「非常時こそ正確な情報」

 新型コロナウイルス感染拡大が止まらない。クラスター(感染者集団)が発生した京都産業大学の学生の1人が、田辺保健所管内に在住する20歳代男性だった。実家に帰宅後の3月27日に田辺市で行われた県教委主催の教員説明会に参加していたため、県は参加者全員の自宅待機を決定。田辺・西牟婁エリアの小中学校は、8日に予定していた再開を13日に延期した。この問題で、新宮市、那智勝浦町、太地町からの教員参加はなかったことから、3市町の小中学校は予定通り、8日に再開するという。

 新型コロナの流行が確認された当初、国や各自治体は「正しく恐れて」と発信していた。和歌山県は、過剰に心配することなく、咳(せき)エチケットや手洗いなど、通常の感染対策を行うことが重要だとしていた。都市部を中心に各地で広がりを見せ、感染経路不明という人がここまで増えれば、「いつ自分が」という思いになるのは自然だが、このような時こそ大切なのは正確な情報だ。
 
 本紙エリアの飲食店でも、本来繁忙期のはずが新型コロナの影響で売り上げが大きく落ち込み、悲鳴を上げている。それでも、宣伝周知に力を入れたり、テイクアウトをいつも以上に打ち出したりと、試行錯誤しながら懸命に取り組んでいる。そんな中、SNS等による風評被害に悩まされている店舗もある。
 
 新宮市内のある店舗で3月31日に盗難事件があった。現場検証に訪れた警察官が、ビニール靴やビニール帽子を被って作業をしていたため、その様子を見た人が新型コロナの除菌作業だと勘違いし、そのことを拡散したという。デマはあっという間に広がり、ただでさえ売り上げが減少している中、さらに客足が遠のく事態になった。店主は、「デマの拡散にとても迷惑している。今回の事柄は間違いなく盗難事件。でないと現在営業できるわけもない」と憤る。
 
 東日本大震災や紀伊半島大水害のときもそうだった。非常時ほど、正確な情報に基づいて行動しなければパニックに陥る。新型コロナでは、トイレットペーパーなど紙製品がなくなるといったデマもあり、多くの人が惑わされた。繰り返しになるが、正確な情報を意識してほしい。

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