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社説「『ワンチーム』で国難に対応」

 新型コロナウイルスの感染拡大はもはや「国難」と言える。国民は感染リスクに神経を遣いながら過ごし、政府の要請によるイベント等の開催自粛、小中高校・特別支援学校の臨時休校と、これまでに経験したことのない日常が広がっている。さらに、マスク不足に加え、誤情報によるトイレットペーパーなど紙類、米や缶詰、インスタント麺などの非常食まで品薄状態が発生するなど余波が止まらない。

 学校の臨時休校では、突然の発表に現場は大混乱。教職員は休校中の課題等を急いで準備し、休校の対象外となった学童保育では受け入れ時間変更への対応に奔走した。保護者は子どもの預け先確保や食事の準備などで普段にない負担を強いられ、仕事を休むことへの不安もある。経済への影響も計り知れない。イベント等の開催自粛による損失、飲食店で相次ぐ予約キャンセル。影響を受けていないという国民はいないほど深刻な問題だ。

 本来であれば門出を盛大に祝う卒業式だが、和歌山県教育委員会は県立高校の卒業式を中止としたため、新宮高、新翔高などは当初予行演習だった日に急きょ卒業証書を手渡した。三重県立高校や各中学校では実施したものの、在校生や来賓の出席を控えるなど規模縮小と時間短縮の制約がつき、物静かな中で行われた。今月下旬に予定される各小学校の卒業式も同様の形での実施が見込まれる。

 ある学童保育の関係者が「子どもたちなりに現状を理解し、我慢している。それでも元気に遊んでいる姿を見ると、大人たちが協力して早く終息するよう願わなければ」と話していた。現在は誰もが不自由さを感じながら生活している。こうした状況でのトイレットペーパー買い占めや、品薄状態のマスク不当転売は悲しいこと。マスク転売に関しては法規制がされる見通しとなったが、それ以前にモラルを守ってもらいたい。

 国難と言うならば、国民が一体となって立ち向かうしかない。「ワンチーム」の精神で乗り切りたい。その中で政府はどこにどのような支援が必要なのか、しっかりと見極め打ち出してもらいたい。そして、終息を迎えたときには、停滞した経済が循環するような思い切った施策も必要ではないか。

      社説

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