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社説「交流人口増へ創意工夫を」

 新宮市の人口は昨年11月末現在で2万8333人。平成28年8月にちょうど3万人だったが、3年2か月で1667人減少した。1年間で約500人ずつ減っており、今後もこの傾向は続くと見られる。

 昭和22年から同24年ごろにかけての第一次ベビーブーム以降増加を続け、昭和35年のピーク時には4万5666人を数えた。その後、昭和50年までに3918人減少、同55年までの5年間で680人増加したものの、10年後の平成2年には約4300人、さらに10年後の同12年には約3000人が減少した。熊野川町との合併で一時的に持ち直したものの、減少傾向に歯止めはかかっていない。

 田岡実千年市長は、新宮商工会議所の新春年賀会で人口減少について触れた。定住人口は減少しているものの、交流人口にあたる観光客数が順調な伸びを見せていることに期待感を示した。新宮市を訪れた日帰り・宿泊を合わせた観光客は平成29年が130万人、同30年が135万人、昨年の数字はまだ確定していないが140万人を突破していると見ている。宿泊に限っても平成29年が約13万人、同30年が15万人、昨年も確実に増えていると自信をのぞかせた。

 さらに、観光客に実施したアンケート結果で、1人当たりの市内での平均消費額が6500円という数字をもとに、年間150万人が訪れた場合の経済効果は約100億円にのぼると試算。「定住人口が減る中、交流人口を増やしてまちの活性化を維持していきたい」と意気込みを示した。

 昨年末には外国人のための旅行サイト「Gaijinpot Travel」が主催するサイトの読者投票で「2020年日本の旅行先トップテン」に熊野地域が1位に選ばれ、外国人客の一層の増加が見込まれる。また、8月には新宮港に豪華客船「サンプリンセス」が初入港する。岸壁の改良工事により11万トン級まで入港できるようになり、今後も客船誘致に力を注ぐ構えだ。

 確かに観光面では追い風が吹いている。しかし、リピーターになってもらうためには受け入れ側の創意工夫が必要。全国にライバルは多い。交流人口の目標値を明確にし、市長を先頭に汗をかいてもらいたい。

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