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社説「4年に1回の選挙は『通信簿』」

 先月の御浜町議選で無投票当選した10人は7日、改選後初の議会に臨み、正副議長をはじめ各常任委員会など議会構成が決まった。議長の就任あいさつで、執行部と連携して両輪で町の課題に取り組んでいくことと、執行部のチェック機関としての役割を果たし、緊張感を持ちながら議論・協議をして御浜町の有権者の負託に応え、町の発展、活性化に努める考えを示した。全議員がこの考えで4年間の任期を全うしてほしい。

 来年1月に行われる紀宝町長選の立候補予定者説明会が6日にあり、5選を目指し立候補を表明している現職陣営のみが出席した。告示まで1か月あまりだが、無投票の可能性もある。
 
 南郡・熊野市の最近の選挙を見ると、先述の御浜町議選、今年10月の熊野市長選、2019年1月の紀宝町議選(定数13)、2018年9月の御浜町長選がいずれも無投票。紀宝町長選は2014年が無投票だったが、2010年と2018年はいずれも現職と新人の一騎打ちとなり、特に2010年はわずか18票という僅差だった。前回も無投票の空気が流れたが、対立候補が現れ選挙戦となった。結果、準備不足が否めなかった新人だったが、2500票余りを獲得。現職は当選後、「批判票と受け止める」と表情を曇らせた。
 
 首長選の場合、無投票になれば「信任を得た」と捉える陣営が大半だろう。対して、4年に1回の選挙戦を「住民からの通信簿」という考え方ができるかどうか。議員選であれば、4年間の働き具合で当落はもとより当選順位も変動する。しかし、無投票になれば定数削減の声が必ずと言っていいほど出てくる。紀宝町議会は次回選挙から定数を2人削減することが決まっている。地方自治は首長と議員の双方が住民から直接選ばれる二元代表制で、それが無投票になると、肝心の選出の段階で住民が関わることができず、制度が形骸化するおそれがある。
 
 一方で、なり手不足を懸念する声もある。必要以上に歳費(給料)を抑えたり、カットしたりする施策は疑問だ。生活給に苦労するようでは、公僕の精神で仕事を続けるのは難しい。しっかりと仕事をしてもらい、その分の対価を支払うという考えでいいのではないか。まちの将来をどのようにするのかを決めるのは住民。その代表となる首長や議員のなり手がいないのでは地域の展望は明るくない。当地方では人口減少、少子高齢化の波が大きい。なり手を増やすための方策を考えていくことも必要か。
 

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