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社説「感染予防対策の徹底を」

 新型コロナウイルスの感染が急拡大を受け、政府は8月22日までを期限としていた東京都と沖縄県の緊急事態宣言を31日まで延長するほか、まん延防止等重点措置の埼玉県、千葉県、神奈川県、大阪府の4府県を緊急事態宣言に追加。さらに、京都府など5道府県に、まん延防止等重点措置を適用する。

 県内の感染者も増加傾向で、7月29日現在で直近1週間の10万人当たりの新規感染者は警戒レベルとなる8人を超え、病床使用率は30日午前9時現在29.4%、重症用は10%となり、ひっ迫には至ってはいないが、感染者が減少しない限り、医療への負荷が懸念される。

 7月22日から28日までの直近1週間を見ると、30代以下の若い世代が46%と多く、60代以上は10.1%と割合は低くなっているが、最近の特徴は40代と50代が合わせて43.9%で、この年代の感染が増加している。感染経路では家庭内が36%で依然として多いものの、職場が30.7%、友人が14%で前の週と比べて約2倍、県外由来は15.5%で約1.5倍に増加。ここ2、3日では4連休に伴う人の移動が原因とみられる事例も出始めている。

 学校の夏休みに加え、企業の夏季休業やお盆など、さらに人の移動が多くなる。帰省などは人の移動が集中する時期を避けるとともに、体調を管理して異常があるときは中止し、感染拡大中の都市部への移動は控える。普段会えない友人らと一緒に過ごす機会が増えることも考えられるが、家族以外と飲食する場合は「マスク会食」を励行する、家庭内であっても少しでも体調が悪いときはマスクを付けて外出を控え、早めにかかりつけ医に相談することが大切になる。

 東紀州でもちらほらと陽性者が出ている。自粛疲れと慣れによる気のゆるみはどうしても出てくる。65歳以上の高齢者へのワクチン接種はほぼ終え、現役世代の接種も始まっているが、ワクチンとて万全ではない。感染力の強い変異株も増えてきている。改めて基本的な感染防止対策の徹底が求められている。

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