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社説「引き締め 支援格差是正を」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年に続き我慢のゴールデンウイークのはずが、熊野市で気の緩みからか連休中に開いた大人数での食事会を原因とするクラスター(感染者集団)が発生した。当地方で初のクラスターが報道され、現在も接触者らの調査が続いているためなのか、それとも感染者が新宮市内にも来ていたといった未確認の情報が流れたためか、新宮市内の飲食店などはどこも閑古鳥状態に。熊野(三重県)と新宮(和歌山県)、県境の保健所同士、必要な情報の共有はしていると思われるが、できる限り情報を開示して少しでも住民の不安を払拭してもらいたい。

 さらに不安なのが、今回のコロナウイルスが変異株なのかどうか。従来のものに比べて感染力が強く、重症化もしやすいと言われている変異株が各地で広がりを見せているが、高齢者が多いこの地域で感染拡大すれば多くの住民が命の危険に直面する。現在はどの自治体もワクチン接種対応で奔走しているが、大手メディアで報道されている全国各地でのワクチン接種トラブルなどを対岸の火事と思わずに、住民を守る砦(とりで)としてスムーズに実施できることを切に願いたい。
 
 また、ワクチン接種など感染防止対策と並行して実施する経済対策に関して、和歌山県と三重県の支援策が違いすぎる。三重県は大型連休を含む4月26日から5月11日までの期間、県内全域の飲食店に営業時間の短縮を要請し、これに応じた店舗に協力金として、過去の売上高に応じて一日当たり2万5000円~7万円を支給。一方、和歌山県は和歌山市にのみ協力金を伴う時短要請を行った。
 
 新宮市・那智勝浦町・太地町の店舗が連休中に休業や時短営業としても収入が減少、それはすなわち日常生活が苦しくなる。かたや紀宝町など三重県側の店舗には協力金が入る。同じ生活圏で感染への脅威も同じ。県が違うので簡単にできないことは十分理解できるが、こうした県境の実情について、パイプ役である県議会議員や県境の首長らが県当局に訴え、同じ生活圏で商売する事業者同士の支援の差を少しでも縮められる行動をとってほしいものだ。
 

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