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社説「初詣は分散 買い物は早めに」

 コロナ禍で初めて迎える年末年始。専門家はかねて「人々の動きと接触を短期間、集中的に減らすことが、今の感染拡大を沈静化するために必須だ」と指摘。GoToトラベルは全国で一時停止となったが、帰省や初詣にも新たな形式が求められている。

 年末年始に人との接触機会を減らすのは容易ではない。各家庭ではこれから大掃除やクリスマス、正月の食材準備などで多忙さを増す。スーパーのレジは長蛇の列になるだろう。混雑を避けるためにも、例年より早めに買い物を済ませることも感染防止対策の一つではないか。
 
 帰省に関しては、当地方の自治体で自粛を要請するなどの踏み込んだ対応はない。ストレスが溜まりがちの中、親族との交流は大切な癒やしだが、この地域の医療体制が脆弱な事も考え、コロナが蔓延しなくても医療従事者には正月も関係ない事を理解し、一人一人が責任ある行動をとることが大切。
 
 また初詣は、和歌山県神社庁は先月、「正月三が日に集中せず、分散して参拝してほしい」と呼び掛けた。熊野三山の各大社に例年だと広域から大勢の参拝客が訪れる。各大社では神社庁が作成した感染症ガイドラインに沿った対策のほか、独自の対策にも力を入れるが、参拝客一人一人に対しても、マスク着用や人との距離確保など基本的な対策を呼び掛けている。今回、分散参拝にどの程度理解が示されるのか。その結果によっては今後新たな初詣の形式として定着する可能性もある。
 
 4月の第1波、8月の第2波と、ピークを迎えた過去2回の流行も、日本では住民が主体となった感染予防や自粛の努力によって、1か月程度で流行は抑え込まれた。今回の第3波も同じように乗り切りたい。
 
 コロナ感染だけに意識が向くが、安全安心に新年を迎えるためにこの時期、火災には十分注意してほしい。雨がほとんど降らず空気が乾燥している。ここ数日の寒波でストーブなど暖房器具を一気に稼働させた家庭も多いのではないか。17日深夜には新宮市内の製材工場が全焼する火事も発生した。新宮市消防本部では、先日婦人防火クラブ員が夜回りで火の用心を訴えた。28日からは消防団員による特別警戒も予定。那智勝浦町消防本部も暮れに同様の活動を行うことにしている。コロナ疲れやストレスが溜まっている人も多いが、火の取り扱いはくれぐれも慎重にお願いしたい。
 

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